ドラクエのゲーム音楽とロシアの作曲家プロコフィエフのバレエ音楽は、どんなかかわりがあるのか。音楽ライター小室敬幸さんの講演「ゲーム音楽 すぎやまこういちとドラゴンクエスト」が9月2日、愛知県長久手市文化の家で開かれる。小室さんが語るゲーム音楽の多様性とは――。
サブカルチャーの存在だったゲーム音楽。だが、作曲家すぎやまこういち氏がつくった人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽は東京五輪の開会式で使われるなど、今や日本が世界に誇る「クールジャパン」の代表的なコンテンツだ。
小室さんは、ドラクエの音楽の背景にクラシック音楽の基礎があると指摘する。「すぎやま氏が高校生のときに作曲した子ども向けバレエ音楽は、明らかにプロコフィエフの影響を受けていて、これがドラクエの音楽の原点と言える。ドラクエIVはバルトーク（ハンガリーの作曲家）だし、ほかにもストラビンスキー（ロシアの作曲家）らの作風が入っている。近現代クラシック音楽とドラクエの音楽の関係は深い」
講演会ではゲーム音楽の生演奏もある。鍵盤演奏を担当する小田智之さんは「子どものころ、クラシックの基礎練習に嫌気が差したとき、ゲーム音楽を自分なりに弾くことで音楽が楽しくなった」と打ち明ける。
小室さんは「私の小学4年のときの夢はゲーム音楽のコンポーザー（作曲家）だった。ゲーム音楽ができて30年。ジャンルの垣根を越えてクラシックやジャズ、ロックを採り入れて進化してきたゲーム音楽の魅力を紹介したい」と話している。
「これまでにない新しい音楽講座シリーズ」の第一弾で、9月2日午後6時半開演、長久手市文化の家風のホール。全席自由で500円。申し込みはチケット専用（0561・61・2888）へ。（鈴木裕）
朝日新聞社
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