◆元外交官「下準備なし。意義深いものにならない」

 政府の過去の国会答弁によると、弔問外交は「元首等の葬儀に参列した各国の要人の間で行われる外交」を指す。

 ただ、国連やサミットのような交渉があるわけではない。元外交官の天木直人氏は「葬儀とは別に参列者が一堂に会する場はあるが、私の記憶では、特定の外交課題を話し合うことはなかった。副次的にもたらされるものがあるとしても、成果を期待しにくい」と証言。元外交官で平和外交研究所の美根慶樹代表も「どういうクラスの代表が来るかは、そのときどきの状況による。外交で結果を出すには準備が必要。下準備を経ずに元首級の人物と会っても、意義深いものにはならない」と強調する。

 安倍氏の国葬が行われた場合、誰が訪れるのか。今のところ米国のハリス副大統領やカナダのトルドー首相、インドのモディ首相らが参列を表明している。

 だが、当初は出席の意向だったマクロン仏大統領が「内政の予定」を理由に撤回。ロシアのプーチン大統領はウクライナ侵攻で日本政府の制裁対象となり、不参加が決定的だ。

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