シンガーソングライター・川本真琴のツイートが波紋を呼んでいる。
「サブスク」とは、Apple MusicやSpotify、LINE MUSICなど定額制の音楽ストリーミングサービスのことだ。

それはこの2日前のシンガーソングライター・七尾旅人のツイートを受けてのものだと思われる。
七尾は「もし生き残らせたい『推しミュージシャン』が居たら、コスト回収率の高いCDを一応買ってあげて(略)」と呼びかけていた。

つまり、ここ5年ほど日本でも生じてきたCDからストリーミングへの移行によって、
アーティストの経済的な問題が生じつつある──と、ふたりは暗に訴えた。

日本では、いまもCD売上への依存が続いている。配信とフィジカルを比較すれば、2021年はフィジカルが59.1%、対して配信は40.9%となった。
ストリーミングの成長率は、2014年以降にグローバルでは年平均37.3%なのに対し、日本では同10.1%にとどまっている。極めて遅い。

一方CD(フィジカル)が音楽産業の過半数を占める国は、もはや日本くらいだ。
たとえば、世界でもっともマーケットの大きいアメリカでは、配信が89%を占め、フィジカルは11%にしか過ぎない。
しかもフィジカルでは、アナログレコードがCDの倍近く売れている(RIAA ’U.S. SALES DATABASE’)。
日本に次ぐ産業規模のイギリスやドイツ、フランスでも、配信が概ね7割以上を占める。
また、日本以外の上位4か国は、総じて音楽産業が急成長(回復)している。

ここまでをまとめると、以下となる。

・世界の音楽産業は右肩上がりだが、日本は下げ止まったまま

・世界の音楽産業の中心はストリーミングだが、日本だけCDが中心

つまり、日本の音楽産業だけがかなり異質な状況となっている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichiromatsutani/20220926-00316791