
検討会のメンバーのひとりに紀藤正樹弁護士がいる。紀藤弁護士は全国霊感商法対策弁護士連絡会で統一教会の問題に取り組んできたとして、安倍氏襲撃事件以降は連日のようにテレビの情報番組に出演して、あれやこれや語り尽くしていた。それだけに認知度も増したはずだ。
かつてはオウム真理教事件に際しても、テレビ媒体に頻繁に登場し、解説を添えていたが、そこではやたらに事実と異なることを発言していた。
たとえば、最後のオウム手配犯だった高橋克也が2012年に逮捕されているが、その直前には日本テレビのニュース番組のインタビューに答えて、「高橋克也は教団でも大幹部のひとり」などと断言しているのを見て、ひっくり返りそうになった。高橋は、地下鉄サリン事件などで中心的な役割を果たした井上嘉浩元死刑囚の車の運転手だった。
また、フジテレビの情報番組では、1995年3月にオウム真理教の関連施設に強制捜査が入った当時の教団の機関誌を広げて、○○時○○分に××の施設に機動隊、△△時△△分に●●の施設の捜査着手、などと時系列を追った詳細な捜査手順の記載があることを理由に「教団は強制捜査の内部情報を事前につかんでいた」と主張して、ことさら教団の恐ろしさを強調していた。
だが、そんな詳細情報は新聞にも掲載されていたことだし、そもそも手にしたその機関誌は強制捜査が行われたあとに発行されたものだ。知っていて当たり前のもので、オウム事案に精通した弁護士やジャーナリストなら見向きもしない内容だった。少なくとも、私ほどには詳しくはなく、はっきり言って、虚報も少なくなかった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f8b7c619503156965897bab6115586833c097aa9?page=3