https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220930/2000066919.html

無罪前社長が刑事告発 特捜検事2人 検察審査会は不起訴妥当

大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、裁判で無罪が確定した不動産会社の前社長が、違法な捜査を行ったとして刑事告発した検事2人を検察が不起訴処分にしたことについて、検察審査会は不起訴は妥当だとする議決をしました。

3年前、横領事件に関わったとして、大阪地検特捜部に逮捕・起訴されたあと、裁判で無罪が確定した大阪の不動産会社の前社長、山岸忍さん(59)は、捜査を担当した50歳と45歳の検事2人が山岸さんの部下らを脅したり不安をあおったりする違法な取り調べをしたと主張して証人威迫などの疑いで刑事告発しましたが、大阪地検は、ことし6月、いずれも嫌疑不十分で不起訴にしました。
山岸さんは、これを不服として検察審査会に申し立てていました。
大阪第4検察審査会は、9月29日付けで「不起訴の記録や審査申立書などを精査し、取り調べの録画映像を視聴して慎重に審査した結果、不起訴処分の裁定を覆すに足りる証拠がない」として、不起訴は妥当とする議決を出しました。
山岸さんは、「非常に残念です。検察官だったら何をやってもいいのでしょうか。1人の人生を壊した責任をとらなくていいのでしょうか。大変悔しく、理不尽な思いをしています」と弁護士を通じてコメントしました。
山岸さんの代理人の弁護士は、国に賠償を求めている民事裁判などで、今後も、十分な検証と謝罪を求めていきたいとしています。

【地検“コメント差し控える”】
大阪地方検察庁の小弓場文彦 次席検事は「今回の議決についてコメントすることは差し控える」としています。