セクハラやパワハラ撲滅が叫ばれて久しいが、厚生労働省によれば、総合労働相談コーナーには年間130万件も相談がある。経団連の調べでも「5年前よりもパワハラ相談が増えた」という会員企業が4割になったという。
つまり、「許されることではない」「もはやそういう時代ではない」と口では言いながら、陰では部下や後輩をネチネチでいじめて、女性には性的な嫌がらせをする人が後を絶たないというのが、「美しい国、日本」の現実なのだ。
なぜこうなってしまうのか。個人的には、先ほどの誹謗中傷のような考え方を持つ日本人がかなり存在しているからではないかと思っている。この考え方を端的に言えばこうなる。
「ちょっと嫌な目にあったくらいでいちいち騒ぐなよ、これくらいの辛いことを乗り越えられないと、一人前の社会人になれないぞ」
もちろん、現実社会でこんなことを大っぴらに言う人は少ない。
しかし、先ほどの誹謗中傷をしている人たちが「匿名」でネチネチと攻撃していることからもわかるように、匿名SNS、ヤフーコメント、仕事終わりの居酒屋など「安全地帯」にいる日本人はよくこういう類の主張をしている。つまり、現実世界では地位も名誉もあるので言えないが、心の奥ではこのように考えている日本人は、想像以上に多い可能性があるのだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/735e9932f21388b3eacd5f35493f5416adc13420