下着販売のチュチュアンナ、大型店が好調 40代以降向け・メンズなど充実
下着などを販売するチュチュアンナ(大阪市)が今年度にリニューアルした「tutuanna GRANDE アトレ川崎店」(川崎市)での売れ行きが好調だ。店舗面積を約70平方メートル分増やしたほかサイズや商品の種類を拡充。売上高は全店舗中で2位となり、同社が出店を進める大型店の業態「GRANDE」が軌道に乗り始めている。
JR川崎駅直結の大型商業施設「アトレ川崎」の2階には、通路を挟んだ2区画にわたって「tutuanna GRANDE」の看板が並ぶ。下着売り場の陳列スペースは通常店と比べほぼ倍になった。このため、通常店では品数をそろえることが難しかったFカップ以上のサイズのブラジャーについても、GRANDEでは充実させることができる。
■メンズ商品やルームウエアも拡充
レッグウエア売り場も通常店より大きく、様々な長さや色の靴下が販売されている。メンズ商品のコーナーもある。コロナ禍の「おうち需要」で注目されたルームウエアは、店舗入り口すぐの目立つ位置に飾られている。通常の店舗にはほとんど置けないメンズ商品やルームウエアを通路から見える位置に配置することができるのも、広さゆえだ。
同店は4月にGRANDEブランドとしてリニューアルされ、面積も約140平方メートルから約210平方メートルに拡大した。GRANDEは2019年11月から始めた大型店の業態で、通常店の1.5倍以上の面積が特徴だ。現在は全店舗数が256店舗に対し、GRANDEは46店舗だ。
同社のメイン顧客は20~30代の若者。だが顧客が40代になると店から遠ざかるという課題があった。GRANDEに衣替えした川崎店では、体形に悩みを抱える40代以降の女性に向け、より補正効果の高い下着や落ち着きのあるデザインの下着を販売している。
■35~44歳の客数 改装後は3割以上の伸び
店の内装もより幅広い客層に受け入れられるよう、白を基調としたデザインにした。リニューアルしてから35~44歳の客数が改装前と比べて3割以上伸びた。
店舗の大型化で商品の幅も広がった。下着と靴下のほか単価が高いアウターやパジャマも販売。客単価は全店舗平均に比べ25%向上した。また同店は1日に平均16万人が利用するJR川崎駅に直結していることもあり、全店舗の中で売り上げ2位にまで伸びた。川崎店の23年7月期の売上高は前期比20%増を見込む。
チュチュアンナの店舗監理部の高橋知也シニアマネジャーは「品ぞろえや内装も含め、まだまだ伸びしろはある」と手を緩めない。
女性用下着市場は縮小傾向にある。矢野経済研究所によると、12年に6715億円だった「国内レディスインナーウェア市場」は人口減や節約志向の中で緩やかに縮小し、19年には6050億円になった。21年は5520億円と予測する。
少子化の動きは、若者向けの販売で強みを持つチュチュアンナにとって影響が大きい。同社は18年に減収に転じたなか「GRANDE」は今後の店舗戦略で重要な位置づけになる。
来年までにGRANDEの店舗数を70店舗まで増やす方針だ。高橋氏は「GRANDEは店舗の広さを生かして女性向けだけでなく、子どもや高齢者、男性などと商品を幅広く展開させていく」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ab87322e77f26341aadeebf5151b5d1ccf5db69