エロの底、完全にぬけた 新ジャンル「わからせ」は加害欲をむき出しにした性暴力だ〈dot.〉(AERA dot.)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2a183134cc96c3c2f919c0ab6d161a2653e552c3

(前略

先日、私の会社に女性向けの二次元エロでバイブを紹介しませんか、という依頼がきた。女性がつくる女性向けの二次元エロということなので、どういうものなのかとスタッフが対応していたのだが、商談したスタッフが「なにが女性向けなのかわからない」と、心から意味がわからないという調子で報告してくれた。スタッフが言うには、その会社は「わからせ」というジャンルを中心に制作しているという。

「わからせ」とはここ数年、エロの一ジャンルのように使われはじめた言葉で、女性や子どもに性的な暴行を加え、男に屈する様をいうらしい。男に“生意気な”ことを言う女性や子どもを性暴力によって黙らせる加害欲をむき出しにした「ジャンル」だ。女性を「メス」、子どもを「ガキ」と呼びつけ、男性器によって黙らせる暴力が「わからせ」だ。“女性を性暴力によって黙らせる”のはポルノの“主流”だろうが、「わからせ」という言葉で、それがまるで「しつけ」という「正当性」を加害者に持たせる不気味な暴力性が深まってしまっている。エロの底、完全にぬけた。

当然、私の会社に来た依頼は断ったけれど、「わからせ」を「新しいエロジャンル」として、「どうせなら私たちのものにして、女ものでつくってしまおう」という女性のクリエーターの意気込みも、言葉を選ばないで言えば、ただただ哀れにしか感じない。どこまでこの国に生きる女たちは「わからせ」られているんだろう。

(後略