日本大学の福田充教授は「安倍氏は大国の一方的な暴力から日本の平和を守ろうとした。その功績は非常に大きい」という。

■首相としての最大の功績

安倍元首相の政治家として最大の功績は、日本の安全保障、外交をグローバルな文脈で再構築し世界と接続したことである。

これらは戦後民主主義におけるドメスティックな視点で「日本の右傾化」と揶揄され、批判された。
しかし国際的な観点で見れば、これらの政策は国際協調主義に基づくものであった。

■「国民保護」のための法制度

戦後日本の安全保障政策のフレームを転換したものの一つに、1992年のPKO協力法がある
これにより自衛隊は国連による国連平和維持活動のために海外派遣されることが可能となった。

また、周辺国からの攻撃に対処するためのミサイル防衛システムを構築し、全国瞬時警報システム(Jアラート)を整備した。

■テロや戦争に関する機密情報が各国と共有可能に

安倍政権は数多くの安全保障、テロ対策に関する政策を実現させた。

たとえば特定秘密保護法は、政府が国家機密となる「特定秘密」を指定し、それが漏洩するのを防ぐための法律である。

この特定秘密保護法ができたことによって、日本は世界各国政府やインテリジェンス機関とのルールを共有することが可能に。
その結果、テロリズムや戦争に関する機密情報が各国と共有可能な状態になったのである。

その中でも日本社会において最も大きな反対が発生し問題となったのが平和安全法制、いわゆる安全保障法制である。

これは、世界の潮流である集団安全保障の考え方を日本に定着させ、日本において集団的自衛権に基づく政策を確立するためのものであった。

こうした現代の国際環境に対して国際協調をするための法制度を整備したというのが、国際的観点から見て安倍元首相が評価される点であるといえる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d40178d5d38e4a1acb7811909045ab7951491b48