ロシアのプーチン大統領は7日、大統領の諮問機関である市民社会と人権に関する評議会とのオンライン年次会合で、「核戦争の脅威が増している」と発言。プーチン氏はウクライナ侵攻の当初、数日で終わると考えていたとされるが、10か月以上経過している上、ウクライナの反転攻勢がすさまじい。かなり追い詰められている印象だ。

そんな中、英紙メトロが7日、プーチン氏が「ウクライナとの戦争に負けたら南米に逃げる計画がある」と報じた。プーチン氏および側近によるこの逃亡計画は〝ノアの箱舟作戦〟と呼ばれているという。目的地はアルゼンチンかベネズエラとみられている。

科学者でありプーチン支持者であるミハイル・コワルチュク氏は「中国を目的地とすべき」と主張したそうだが、クレムリンは「中国は敗者を好まない」という理由で候補から外したという。

この〝ノアの箱舟計画〟を暴露したのは、2008年から10年までプーチン氏のスピーチライターを務め、現在はイスラエルを拠点に、クレムリン批判を行っているアッバス・ガリヤモフ氏によるものだ。同氏は「通常、私は情報筋から流れてきた情報を暴露しませんが、今回は例外です。まず第一に、私はその情報源を本当に信頼しています。第二に、その情報はあまりにも過激なものだからです。この計画は、プーチン派がロシア国内での状況が快適でなくなった場合、新しい土地を探すことについてのものです」と明かす。

プーチン氏の長年の側近であり、ロシア経済を牛耳っているともされるイーゴリ・セーチン氏は、亡命地をベネズエラにすべきと主張しているという。ガリヤモフ氏は「プーチン大統領はベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領と良好な個人的関係を築いている」と付け加えた。

5日、ロシア内陸のリャザニ、サラトフ両州の空軍基地がウクライナ側の無人機(ドローン)攻撃を受けた。両基地は核兵器を搭載できる長距離戦略爆撃機の拠点で、ウクライナ国境から数百キロも離れている。無人機がロシア領空内を通過して攻撃を加えたと確認されれば、防空上の大失態となる。もうロシアに安全地帯はないということだ。プーチン氏は敗戦だけでなく、クーデターも恐れている。南米に〝逃げる〟というオプションは具体的かもしれない。

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