女子高生3人が「必死の」救命 目の前で80歳はねられ、冷静対応

 車にはねられ負傷した歩行者の男性を迅速に救助して命を救ったとして、豊国学園高(北九州市門司区)に通う女子生徒3人に門司署から感謝状が贈られた。3人はクラスメートといい「必死だった。(男性が)助かって良かった」と笑顔を見せた。

 3人は、いずれも2年の安藤真菜花さん(17)、柴田若菜さん(16)、永田玲さん(16)。事故は11月18日午前8時ごろ発生。門司区柳町の交差点で、横断歩道を渡っていた同区内に住む男性(80)が、右折してきた車にはねられた。

 たまたま登校途中に現場を通りかかった3人は、男性の体が宙に浮くのを目撃し、慌てて男性の元に駆けつけ、近所の人と歩道まで運んだ。その後、携帯電話で警察と消防に通報。男性の頭部や顔などから出血していることなど、容体や現場の状況などを冷静に説明した。男性は意識不明の状態で病院に搬送されたが、一命をとりとめ、無事に回復して退院したという。

 同署の指宿孝治署長から感謝状を受け取った安藤さんは「消防、警察に冷静に電話でき、その後はおじいさんに声をかけ続けた」と振り返った。永田さんは「親族を交通事故で亡くした経験があったのでとにかく必死だった。助かったと聞いた時はうれしかった」と安堵(あんど)の表情を見せ、柴田さんは「助かってほしいという気持ちだけだった。感謝状をもらえたのはうれしい。次も人を助けたい」と笑顔で語った。
https://mainichi.jp/articles/20221215/k00/00m/040/239000c