30歳の息子はワクチン接種3日後に突然死した、それでも検証は遅々として進まない…憤りに震える父親が語った「国への不信感」

 新型コロナワクチンはこのウイルスによる被害を大きく減じたと言われる。

 その一方で、「副反応疑い死」の被害も少なからず見られる。

 ところが、その被害について詳しい検証が行なわれた例は少なく、被害者や遺族は大きな負担を強いられている。

 『ルポ 副反応疑い死』を上梓したノンフィクション作家の山岡淳一郎が実態をレポートする。

目を覚さなかった息子
 2021年8月25日の未明、広島県東部の山あいの町で会社員の男性が、突然、30年の短い生涯を閉じた。出勤時間になっても起きてこないので、母親が2階の息子の部屋に見にいくとベッドに突っ伏していた。
父親は懸命に心肺蘇生を試みるが、息子は目を覚まさない。救急隊も手の施しようがなかった。間もなく、私服の刑事と検視官がやってくる。

 「触らないで。この部屋から出てください」と検視官に命じられ、両親は階下におりた。自宅での突然死は、刑事事件のように扱われ、検分を終えた遺体は警察に運ばれる。
両親は「せめてもう一度、顔をみさせてください」と懇願し、黒いシートに包まれた息子の顔をのぞきこんだ。
酒もたばこものまず、電気機器のメンテナンスに飛び回っていた息子、サッカー好きで持病はなく、健康そのものだった息子が、なぜ、あっけなく逝ったのか……。

 国民は「生命、財産が守られている」と感じてこそ、政府に信頼を寄せる。派手な国防論議よりも、むしろ暮らしのなかの生死の問題への対処のほうが切実で、信頼度を左右する。

 たとえば、新型コロナワクチン接種による重篤な副反応への国の対応である。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bca3c15e163adac1c3666203282bf94eb0b29b50