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「100歳まで運転しなければいけない…」免許を返納したくない高齢ドライバーたちの「言い分」

横浜市磯子区に住む小島修一さん(仮名・80歳)。

 横浜市と言えば東京23区に次ぐ、大都市。地方と比べても過疎化が進んでいるとは言えず、公共交通機関も整備されている。しかし、首都圏であっても郊外に行けば移動手段が大きな課題になっているのだ。

 小島さんは高齢の夫婦2人暮らし。自宅は高度経済成長期に建てた、いわゆる庭付き2階建てのマイホーム。広い庭と駐車場を確保するため、駅からは遠い場所しか購入できなかった。

 最寄り駅は坂を上って下った先、歩けば30分以上かかる。バス停は坂の上にあり徒歩10分ほど。谷底にある小島さん宅の周辺にはスーパーマーケットはおろか、コンビニすらない。

 「昔はもう少し近くにお魚屋さんとか八百屋さんもあったんですけど、どこも閉店してしまった。歩いて買い物に行くには坂を上って下らないといけないので大変なんです……」

 小島さんの妻・みのりさんがそう嘆くように、買い物や通院は小島さんの運転に頼るほかないのだ。

 「横浜、といえば都会というイメージはあるかもしれませんが、坂が多く、私たちの住んでいる地域では車がなければなにも生活できません。若いころは駐車場と庭がついた一戸建てを買うためにこの場所を選んだのですが、将来こんなことになるとは考えていませんでした……」(前出のみのりさん)

 買い物は少し大きなスーパーや広い駐車場のあるショッピングセンターに行くが交通量も多いため、運転に不安を覚えることもあるという。

 「駅前のマンションか老人ホームに移ろうかとも考えているんですが、自宅を手放す踏ん切りもつかなくて……近くには小学校もあるので事故を起こしたら大変ということは分かっています。ここに住んでいたら100歳まで運転しなければいけないかもしれない……」(小島さん