除草に「ヤギレンタル」どうぞ、寂しがり屋なので2頭1組…4月から本格派遣

宮崎市芳士に来園者がヤギとふれあえる「ヤギパーク」がお目見えし、人気となっている。手がけるのは防虫やハウスクリーニングなどを行う会社「DBCトータルサポート」(宮崎市)。要望があれば飼っているヤギを派遣し、伸びた雑草を食べさせるヤギレンタルも4月から本格的に行うという。たくさんいる動物のなかからなぜ、ヤギなんだろう。パークを訪れてみた。

パークはJR日豊線の線路沿いにあり、広さは約2200平方メートル。ヤギとふれあえる「放牧エリア」と、テーブルやいすなどが並び、ヤギは入ってこない「公園エリア」からなる。飼われているのは10頭。放牧エリアは毎月1回、第1日曜日の午前10時~午後6時に開放され、無料で入場できる。

隣接する公園エリアは年中無休で開放されており、自由に入って、隣にある放牧エリアにいるヤギたちをフェンス越しに見ることができる。連日、家族連れらが訪れている。

設立したDBCトータルサポートは1974年に創業。シロアリや害虫駆除なども手がけている。ヤギと関わりを持つようになったのは2018年だ。新たな顧客獲得などに向け、害虫駆除などを行う際、草を食べる習性があるヤギも連れていって無償で除草を手伝う取り組みを始めた。

ヤギを見た客らとの間では自然に会話が弾んだ。ヤギの愛らしい姿に笑顔になって「癒やされる」と感想を寄せる人も多かった。こうしたことから昨年4月、「ヤギで地域に癒やしと笑顔を提供する」とパークを開業させた。

総工費は約2000万円で、そのうちフェンス設置代などの240万円をインターネットで協力を呼びかけるクラウドファンディングでの寄付で賄った。

ヤギレンタルは本格導入を前に現在、試験的に2時間に限って無料で行っており、これまでに家庭や高齢者施設などから約30件利用があった。
ヤギは1頭で1日10平方メートルほどの草を食べるといい、派遣先で伸びた雑草をヤギに食べさせれば、除草剤などの使用を控えることにもつながる可能性がある。ヤギは寂しがりな性質があり、4月から本格的に行うレンタルは2頭をセットにして1回あたり1週間単位で、有料で派遣する予定という。

パークに訪れてみると、ヤギたちは人懐こく、どんどん近づいてきた。同社は4月から、現在パークで無料で行っている月1回のヤギとのふれあいなどの取り組みを、内容をより充実させて有料化して進めていく方針。ヤギの搾乳体験や、パークにキッチンカーなどを招いてのマルシェ開催なども検討するという。

同社の川崎益央代表は「ヤギはかわいらしく、癒やしてくれるだけでなく、ヤギによる除草は持続可能な開発目標(SDGs)にもつながる。パークは宮崎の新しいテーマパークになると思っている。地域の方々がヤギを見て癒やされながら笑顔になる場所にしていきたい」と話している。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230116-OYT1T50089/
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