「長田」「山根」…日本名名乗らせ ベトナム人労働者を違法派遣 容疑で夫婦逮捕

派遣労働が禁止されている建設業務に労働者を派遣したとして、兵庫県警国際捜査課などは、労働者派遣法違反の疑いで、いずれもベトナム国籍の同県姫路市花田町上原田の建設業、ボ・バン・ツォン容疑者(43)と妻、トラン・テイ・テイツ・マイ容疑者(41)を逮捕、送検したと発表した。逮捕は17日付。ボ容疑者は「禁止業務について知らなかった」、トラン容疑者は「夫がやった」と供述している。

逮捕・送検容疑は共謀し、昨年2~12月、姫路市内の建設会社に、ベトナム人の男性労働者5人を派遣し、神戸市垂水区で行われた山陽電鉄の法面工事などの建設業務に従事させたとしている。

同課によると、2人は、「MT建設」を名乗り、約20人に上るベトナム人労働者を建設会社6社に派遣していたとみられる。日本各地で職場から失踪した技能実習生らを集め、姫路市内で住居を提供していた。

県警は2人の自宅から偽造された在留カードと健康保険証計約50枚を押収しており、実際は在留資格などを失っているのに正規の労働者と装うため、派遣先の建設会社にこうした偽造在留カードなどのコピーを提出していた。

さらに、偽造在留カードには在留資格の欄に「定住者」と記載。定住者は、日系外国人や難民に認定される在留資格で就労制限がなく、本物の定住者を偽装するため、労働者に「長田」や「山根」といった日本風の姓を通称として名乗らせていた。

ボ容疑者自身がインドシナ難民といい、県警は在留資格制度の知識を悪用したとみている。

https://www.sankei.com/article/20230119-CUBNBB6R4BOU7CS5V7KW6SXPCY/

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