沖縄県の玉城デニー知事は、相手国のミサイル発射拠点などをたたく反撃能力(敵基地攻撃能力)について「もし敵基地攻撃能力を含むような装備を南西地域に持つとしたら、私は『それは憲法の意思とは違う』と、明確に反対する」と述べた。8日夜、東京都文京区で県が開いた復帰50周年記念シンポジウムで発言した。

 政府が2022年12月に閣議決定した「国家安全保障戦略」など安保関連3文書は、反撃能力の保有を明記し、南西地域の防衛体制の強化を掲げている。玉城知事は「抑止力の強化がかえって地域の緊張を高め、不測の事態が生ずるのではないか」と懸念。日米安保体制の必要性は理解するとしつつ、「沖縄に集中する米軍基地負担は異常であり、到底我慢できない。日本に暮らす一人一人が『自分ごと』として米軍基地問題を考えることが必要だ」と訴えた。

 また、玉城知事は、外交や対話による緊張緩和と信頼醸成の重要性を強調。沖縄県が海外との交流を強化する「地域外交室」を23年度に新設する方針を紹介し、「地域の安全保障環境を改善し、在沖米軍基地の整理縮小が可能な関係を作り出し、沖縄が発展していく好循環を作っていきたい」と語った。【木村健二】

https://mainichi.jp/articles/20230209/k00/00m/010/086000c