次期日銀総裁:植田和男氏「経常収支、高齢化の影響これから」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB0140H0R00C23A2000000/
日本経済の急速な高齢化が家計貯蓄を、ひいては経常収支黒字を大きく減少、あるいは赤字化させるのではないかという議論がなされて久しい。

しかし図にあるように、日本の経常収支は、1980年代半ばから40年間ほど、バブル期と東日本大震災後の時期を除いて、国内総生産(GDP)比2~4%の大幅な黒字を維持してきている。図にない2022年には、原燃料価格の高騰を主因に貿易収支の赤字が拡大、海外からの旅行者が途絶えたこともあって、経常収支黒字も大きく減少し、秋までの急速な円安の一因にもなった。それでも、22年通年ではGDP比で2%前後の経常収支黒字が記録されたとみられる。

中長期的な観点から対外収支の動向を考察する場合、いわゆるISバランス論が有効であることが多い。その基本は、経常収支黒字は国内の各部門の貯蓄超過額(貯蓄-投資)の総和に等しいという関係である。もちろんこの関係を現実のデータにあてはめた場合、この式は恒等式であり、様々な因果関係がその背後で作用している。それでも、この式に基づいてデータを眺めることで、貯蓄や投資の動きが経常収支に影響を与えるメカニズムをしばしば発見できる。

図に経常収支黒字とともに家計部門と企業部門の貯蓄超過額のGDP比を示した。途中で国民所得統計の基準年度の変更があり、データは連続的ではないが、全体の傾向を把握できる。家計・企業のほかに政府部門の貯蓄超過額が合わさって経常収支と等しくなるが、民間部門の動きに注目するために、政府部門の動きは省略している。

当初の経常収支黒字は企業部門の投資超過(マイナスの貯蓄超過)を家計部門の貯蓄超過が上回っていたことによる。しかし、1990年代半ば以降、成長率の低下、高齢化進展等により家計の貯蓄超過は2010年過ぎにかけて低下傾向が続いた。それでも経常収支黒字が続いた理由は、国内での投資機会縮小により企業部門が貯蓄超過に転じたことである。



※前スレ
【悲報】次期日銀総裁「残念ですが、日本は来年から貯金(対外債権)を切り崩して物を輸入するオワコン国家になります」 [237216734]
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