政府、大使館ルート通じ北朝鮮に抗議 松野氏「国際社会と緊密連携」

北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、岸田文雄首相は、鼻の手術の経過観察と処置を受けていた東京都内の病院から首相官邸に急行した。午後6時50分ごろ、官邸で記者団に「国民に対しての情報提供、安全確認の徹底を指示した」と語った。

官邸では午後7時すぎから、国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合が約15分開かれた。首相のほか松野博一官房長官、井野俊郎防衛副大臣、秋本真利外務政務官らが協議した。

松野氏は記者会見で、北朝鮮に対して北京の大使館ルートを通じて抗議したことを明らかにした。松野氏は「現在開催中の主要7カ国(G7)外相会合や国連安保理の場を含め、米国、韓国をはじめ、国際社会と緊密に連携して対応していく」と話した。

松野氏によると、今回は自衛隊による破壊措置は実施せず、被害の報告も受けていないという。浜田靖一防衛相によると、日本上空を通過するなどの要件を満たさなかったため、全国瞬時警報システム(Jアラート)は出さなかった。北海道江差町で燃え落ちる物体が上空で確認されたことについて浜田氏は「目撃情報の逐一についてはコメントは控える」と述べた。

北朝鮮のミサイル発射の意図について、松野氏は「予断を持って答えることは控えたい」と述べた。今回のミサイルが固体燃料式かどうかについては明らかにしなかった。別の官邸幹部は最高高度が約5700キロと推定されることから「『火星17号』と同じ性能にみえる」と指摘する。(高橋杏璃 楢崎貴司)

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