東京で桜開花なぜ早い、今年も全国トップ予想…気温上昇だけでは説明つかない部分も

東京都心は、広島や大阪よりも北に位置するのに、なぜ桜前線が一足早く到着するのか。

ウェザーニューズの担当者が要因と考えるのは、桜の開花の発表に使われる標本木の樹齢などの影響だ。

気象庁の開花宣言は、47都道府県の58地域にある標本木の開花状況に基づく。花が5、6輪咲いたら「開花」、8割以上のつぼみが開いたら「満開」だ。

桜の種類は沖縄、奄美地方と北海道の一部を除き、ソメイヨシノで統一されている。そして、ソメイヨシノは樹齢40~50年になると、若い頃に比べて開花が早くなる傾向があるという。

公益財団法人・日本花の会特任研究員の和田博幸さんは「樹齢を重ねたソメイヨシノは、幹や葉の成長にエネルギーを割く必要がなくなる。開花に集中できるため、花の数が多くなり、咲くのもやや早まる」と解説する。また、樹勢を保つための管理状況も重要だという。

東京の標本木は靖国神社(千代田区)境内にある。靖国神社によると、樹齢は定かではないが、気象庁が標本木に選んだ1966年には既に成木だったという。

また、標本木の根が弱らないよう、土壌を軟らかくし、通気性や水はけを良くする手入れもしており、これが東京の開花日の早さにつながっているというのが、和田さんの見方だ。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230220-OYT1T50111/2/