https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230222/k10013987671000.html

一方、今回のアンケートで身元引受人の制度について改善が必要とされた理由の1つが避難者との間のトラブルです。

引受人から、性的嫌がらせを受けたという20代の女性がNHKの取材に応じました。証言から見えてきたのは避難者の立場の弱さにつけ込んだ悪質な言動です。

女性はウクライナで両親と暮らしていましたが、侵攻が始まった去年2月24日、以前から仕事で知り合いだった50代の日本人男性から、SNSで安否を心配するメッセージが届きました。そこには、「大丈夫ですか?助けが必要なら言ってください」などと書かれていて、当時はありがたく感じたといいます。

自宅の近くにミサイルが着弾したこともあり、女性は、一刻も早く国外に逃れたい一心で男性の申し出を受け入れて、引受人になってもらい、日本に避難しました。来日後は、行政から提供されたアパートに住み、民間団体から生活費の支援も受けて安心して暮らしていたという女性。

しかし、引受人の男性の言動に違和感を覚えるようになりました。男性は、女性の意思に反して、髪を触ろうとしたり、抱きしめようとしたりするようになりました。また、性的な話題を口にしたり、既婚者であるにも関わらず、プロポーズしてきたこともあったといいます。

また、女性はある日、男性からアパートの予備の鍵を手渡すよう求められました。避難者は、日本で暮らすために、引受人の署名や同意が必要な場面が多いため、女性はそれを断ることができませんでしたが、ある時、外出先から帰って、アパートの玄関を開けると、男性が勝手に上がり込んでいたといいます。

女性は、自分の身を守るために、「彼氏ができました」と伝えたところ、男性は態度を一変させ、「その男とはどんな関係なんだ。お前はひどい人間で恩知らずだ」などと女性をなじったといいます。

さらに男性は、生活費の支援をしている民間団体に対して、女性は問題があるから支援金を渡さないように圧力をかけたということです。女性は、避難者を支援する知り合いを通じて、代わりの引受人を見つけることができました。

避難者の多くは、立場が弱い女性と子どもで、この女性は、「日本の支援にはとても感謝していますがこうした問題も起きていることを知ってほしい。ウクライナから避難してきた女性たちが同じ思いをしなくていいよう守ってほしい」と訴えています。