――日本に並ぶ“AV大国”といえばアメリカですが、日本との違いはどこにありますか?

安田 やはり一番はモザイクの有無と思います。エロ本もそうですが、日本のAVは法的な規制をうまく利用しながら、良くも悪くもガラパゴス的な進化を遂げてきた。今回の執筆作業での気づきや発見みたいなことをあえて言うなら、やっぱり黎明期のAVはつまんねえな、と(笑)。ほとんどの作品が、完成度が低くて。

――言い方は悪いですが法的な規制をかいくぐりながら、それだけの発展をしてきたんですね。

安田 AV業界は幾度となく“法整備”の危機を乗り越えた歴史がある。2022年に施行されたAV新法も、みんな文句を言いつつ適応してきているように思います。アメリカも出演者たちの権利に非常に煩いので、制作環境も日本もアメリカとそう変わらなくなっていくと思います。日本でも台本なども事前に出演者に伝える必要があり、ナンパやドキュメント的なものは消滅している。このような時代や法律に沿った“ジャンルの消滅”は今後もあると思います。

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