竹中平蔵「”日本人の給料をもっと上げろ”はナンセンス」…仕事をしない社員たちがクビにならずに会社に寄生し続けている

 アメリカで銀行が次々と経済破綻し、何やら雲行きが怪しくなってきている。しかし、経済学者の竹中平蔵氏は「日経平均は当面大きく揺れない」と語る。その理由は一体……。プレミアム特集「株・投資完全ガイド」第1回は、竹中氏がドル円相場と日経平均の見通しをスバリ解説する――。
生産性が上がってないのに給料は上がらない

 国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し(2023年1月改定)を見ると、世界各国の成長率予測の数字が落ちている中で日本は1.8%と、米国・欧州などと比べて高い数字が出ています。これだけを見ると「日本がこれから一人勝ちするのではないか」と勘違いされる方もいるかもしれませんが、そんなことはあり得ません。日本経済は安定していますが、それは超低位での安定です。たしかに日本の失業率は2.5%と低いです。しかしこれは政府が補助金を出して「クビにしないでください」と暗に言っているからです。

 困っている人がいるから補助金出しましょう。会社がつぶれそうなら補助金出しましょう、と。

 日本企業は社員をクビにすることがなかなかできない人材流動性の低い国です。だからこそ、仕事をしない社員たちもクビにならずに会社に寄生し続け、会社の生産性を下げ続けます。そして何か企業が経営に困ったら、国が更なる補助金を出すのです。「電気代が上がったから補助金を出しましょう」と。そうやって日本は超低位安定経済を作ってきたのですから、生産性が上がらない状況で「日本人の給料が安いからもっと上げろ」と求めることがいかにナンセンスか。しかし、そんな働かない労働者にとっては夢のような「超低位安定経済」もいつまで続くわけではなく、ジリジリと終わりに近づいています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b451c70bbd9a170e04c0467cb30654d94df4474