この春、練乳ブームが“とろ~り”到来している。乳業メーカーや飲食店が、アイスやスイーツの新商品を相次いで発売。生乳由来の優しい甘さや、レトロ感のあるパッケージが若い世代を引き付ける。定番のイチゴや、かき氷にとどまらない新機軸で、活用の幅を広げている。
アイス・森永乳業 “レトロ感”若者に照準
レトロ感のある赤いパッケージでおなじみの「森永 れん乳」シリーズを展開する森永乳業は今春、アイスの新商品や、リニューアル商品で若い世代の取り込みを狙う。
交流サイト(SNS)でも人気の喫茶店の味を再現した「森永れん乳アイス コーラフロート」(150ミリリットル、希望小売価格160円、税別)を10日に新発売した。幅広い年代から支持を集める「森永れん乳氷バー」(6本入り、オープン価格)は、アイスの中の練乳ソースの量を40%増量し、練乳らしいこくを楽しめるよう刷新した。
同社は「練乳は生乳を濃縮して製造しているため、国産乳製品の消費拡大の観点でも重要な商品」とみる。
需要が集中するイチゴとかき氷シーズン以外にも裾野を広げようと、3月までツイッター上で「れん乳救済プロジェクト」を企画。練乳消費のアイデアを募集した。集まったアイデアを基に今後、「練乳×パン」の使い方を提案し、市場の活性化を目指すという。
スイーツ・全農 酪農応援へ11種類提供
JA全農は、多彩なメニューで練乳のおいしさを伝える。5月末まで、全国のグループ飲食店舗20店で、練乳を使ったスムージーや、ミルククリームのパンケーキといったスイーツ11種類を提供するフェアを展開する。
昨年末の生乳の需給緩和を受け、生産者団体が乳業メーカーに委託して緊急的に製造した練乳を活用。練乳をたっぷりと使ったメニューを提案し、酪農応援につなげる。「日本の酪農応援フェア」の第4弾として企画した。
全農は「店舗ごとに幅広いメニューがあるので、いろいろな形で練乳の魅力を伝え、消費拡大につなげていきたい」(フードマーケット事業部)と話す。(斯波希)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e63f7909b4065aa45f938a41ece8fed16c42615e