「お日様の匂い」はダニの死骸じゃない!天日干しは香水成分が発生する

しかし本当に「お日様の匂い」の正体はダニの死骸なのでしょうか?
有難いことに、デンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)が2020年の研究で、その答えを見つけてくれています。
この研究は2020年2月25日付で科学雑誌『Environmental Chemistry』に掲載されたものです。

プグリエーセ氏によると、主観的には明らかに天日干ししたタオルで最も強く「お日様の匂い」を感じたといいます。
そして分析の結果、直射日光の下で干したタオルからのみ、香水の原料としても使用される
化合物のアルデヒドやケトン、香辛料のカルダモンに含まれるペンタナールが検出されたのです。
さらには、柑橘系の爽やかな香りのもとになるオクタナール、バラのような香りがするノナナールなども見つかりました。

こうした化合物が「お日様の匂い」の正体だったのです。

プグリエーセ氏は、天日干ししたタオルからこれらの化合物が発生した理由について
「空気中のオゾンガスや日光の働きのおかげ」だと考えています。
具体的には、濡れたタオルの素材と空気中のオゾンガスが反応することで、アルデヒドやケトンが生成されるという。

それから、濡れタオルに含まれる水滴が虫眼鏡のように機能して太陽の紫外線を集光し、
それによりタオル中の化学物質が活性化して、匂い成分の合成が促されるとのこと。

またタオルに含まれる顔料や染料も太陽光を吸収して化学変化を起こすことが知られています。
氏によると、こうした化学反応は雨後の草むらなど多くの場所で発生しているそうですが、
特に天日干ししたタオルから香りやすいのは、綿の繊維が匂い成分を閉じ込めて保持しやすくなっているからと指摘します。
https://nazology.net/archives/125117