日本では、死刑の執行方法として、絞首刑のみが定められています。明治時代に旧刑法を作る際に斬首刑も選択肢として検討されましたが、御雇外国人からあまりに残虐だという批判の声が上がったこともあって、絞首刑だけが採用されたようです。当時、絞首刑は世界の主流でしたが、採用する国が減少し、先進国では日本のみになりました。今も死刑を存置しているアメリカでは絞首刑から電気椅子、さらには薬物注射が主流となっています。

なぜ、日本は絞首刑を採用し続けているのですか?

1955年(昭和30年)に最高裁判所は絞首刑を合憲としました。日本では、これまで死刑制度にかかわる情報がほとんど明らかにされておらず、諸外国のように死刑執行をはじめとする具体的な事柄について議論することが困難でした。そのため、主に死刑の存廃が議論されることになってしまい、絞首刑の是非にはほとんど焦点が当てられてこなかったと考えられます。

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