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県立病院が新築移転、待望の産科新設 妊婦ら「万が一に安心」 唯一の分娩取り扱い閉じる隣市もカバー 地域医療の中核へ高まる期待 南さつま

産婦人科には陣痛から分娩(ぶんべん)、産後の回復を一室で行うLDRを2部屋設ける。産科のない同市、南九州市に加え、6月末で唯一の個人病院が分娩(ぶんべん)の取り扱いを停止する枕崎市をカバーする。小児科も再開し、出産前の女性らは「安心できる」と歓迎しつつ、新病院に不安な一面ものぞかせる。

 南さつま市笠沙の遠矢咲奈さん(24)は10月出産予定で1時間以上かけ鹿児島市内の病院に通う。病院変更は考えていないが、新病院まで30分弱となり「何かあったときに安心」と胸をなで下ろす。

 「どんなところか分からない。安心して産める病院であってほしい」と希望するのは枕崎市岩戸町の中野美加さん(24)。検診は、6月末でお産の取り扱いをやめる市内の森産婦人科で受けるが、出産は薩南病院。「何もかも初めてなので不安はある」と漏らす。

 同市立神北町の臼山真純さん(33)は森産婦人科で5月中旬に出産する予定。「間に合ったというのが正直な気持ち。南さつままでは約30分かかる。近くの方が安心」

 2歳の娘を育てる薩南病院近くの堂園陽平さん(30)は再開した小児科も歓迎。「入院施設があるのは頼もしい。新たに授かったとしても任せられる」と話した