中国の新駐米大使に謝鋒氏 「米中関係は深刻な困難に直面」

【北京=三塚聖平】在米中国大使館は23日、新たに駐米大使に起用された謝鋒氏(59)が同日、米国に到着したと発表した。米中関係は、米軍が2月に中国の偵察気球を撃墜した問題で冷え込んでいるが、謝氏は緊張緩和へ米側とのパイプ役を担うとみられる。


駐米大使のポストは、前任の秦剛氏が昨年末に外相に就任したことにより空席となっていた。謝氏は「米国通」として知られ、2021年からは外務次官として主に対米関係を担った。米国での勤務経験も豊富で、08~10年に在米大使館で公使を務めた。

同大使館によると、謝氏はニューヨークの空港で「現在、中米関係は深刻な困難に直面している」と表明。米側と対話や協力を強化することなどにより「中米関係を正しい軌道に戻すよう努める」と強調した。

中国の習近平政権は、米国との対立長期化は不可避と見る一方で、緊張が過度に激化しないよう関係安定化を模索する。足元で米国との対話を積極化させており、今週には王文濤商務相が訪米し、レモンド商務長官、米通商代表部(USTR)のタイ代表と会談する見通し。今月10~11日には、中国外交担当トップの王毅共産党政治局員がウィーンでサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と会談した。

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