https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-25/RV7XAPDWRGG0

米半導体メーカーのエヌビディアが24日示した売上高見通しは、ウォール街の最も強気なアナリストさえも驚かせる内容だった。発表を受けて同社株は急伸し、時価総額は1兆ドル(約139兆円)に接近。世界中で人工知能(AI)関連株が上昇した。

  25日の米株式市場でエヌビディアは一時26%上昇し、日中ベースでの最高値を更新した。同社は24日、5-7月期売上高が約110億ドルになるとの見通しを示した。アナリスト予想の平均は71億8000万ドルだった。

  サスケハナ・ファイナンシャル・グループはエヌビディアの売上高見通しについて、「生成AIとアクセラレーテッドコンピューティングが変革を迎える」中で、市場予想を上回った度合いとしては過去最大だったと言えるかもしれない指摘した。

  アナリストのクリストファー・ローランド氏は「新たなゴールドラッシュが到来したような感じだ。エヌビディアが採掘に必要な全てのつるはしとシャベルを売っている」とリポートで指摘。「市場予想を極めて大きく上回った事実は、強気派と弱気派の両方に対しバリュエーションの限界に疑問を抱かせるだろう」と付け加えた。

  エヌビディアの発表を受け、他の半導体メーカーも好調だ。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は11%高。台湾積体電路製造(TSMC)やアドバンテストといったサプライヤーも上昇。半導体メモリーメーカー、韓国SKハイニックスやオランダのASMLホールディング、ASMインターナショナル、スイスのVATグループ、フランスのソイテックなども時価総額が大きく増加している。