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アユ釣り多摩川で解禁 高層ビルを間近に 「清流に戻った証拠」笑顔の釣り人

神奈川県内各地の川で一日、アユ釣りが解禁を迎えた。川崎市と東京都の境を流れる多摩川では、待ちわびた釣り人が早朝から繰り出し、思い思いのポイントで釣りざおを振るった。
 川崎河川漁業協同組合(高津区)の栗島亮一理事によると、多摩川のアユ釣りは、長さ八メートル以上のさおを使って、重りの先に複数の針を垂らした仕掛けを下流へと流し、川底に群れるアユを引っかける「コロガシ」という釣り方が主流という。
 アユ釣り歴五十年以上という宮前区の井田政男さん(79)はこの日六十匹以上を釣り上げた。昭和の後半までは川が汚れていて「アユ釣りなど考えられなかった」と振り返る。
下水処理場の整備などで徐々にきれいになった二十年ほど前から、多摩川で釣るようになった。「アユ釣りができるということは、多摩川が清流に戻った証拠。高層ビルを間近に見ながら、アユ釣りができる所なんてなかなかないよ」と笑った。
 川崎周辺の多摩川のアユは、より上流域のアユより小ぶりなのが特徴。塩焼きや甘露煮、つくだ煮にして食べるほか、唐揚げや天ぷらにする人もいる。食通に好まれる内臓だが、
周辺のアユは川底の砂利が含まれていることがあるため、あまり食べないという。
 アユ釣りには遊漁券が必要。一日券千円、年間券五千円。市内の釣具店などで購入できる。解禁期間は十二月三十一日まで(十月十五日?十一月三十日は禁漁)。