奇跡の減量注射!? 禁酒や禁煙など、意外な「副産物」をもたらすかも

■今年3月に英国での使用が承認された新しい減量薬が、アルコール依存症やニコチン依存症にも効果がある可能性が高いとして、話題になっている。
「デイリー・メール」紙(電子版)が伝えた。

 深刻化する肥満問題に対処するため、3月にNHSでの使用が承認された皮下注射薬「セマグルチド(Semaglutide)」(別名・ウィゴヴィー/Wegovy)。
デンマークの製薬会社「ノボノルディスク」が製造した肥満治療薬で、2型糖尿病患者の血糖値を管理するために開発され、
「オゼンピック(Ozempic)」の名称で販売されていた。
しかし、体重を大幅に減少させる効果が見られたことから、ダイエットに効果的な薬として改良されたのがセマグルチドだ。

 この薬は食欲を抑える作用があり、臨床試験では患者の体重を5分の1も減らすことに成功。
ほかに飲酒や喫煙、ギャンブルなどに興味がなくなったほか、爪を噛む、皮膚をつまむといった悪習慣に対する関心も低下したという。

 インペリアル・カレッジ・ロンドンの脳科学科のトニー・ゴールドストーン准教授は
「飲酒や喫煙などの特定の刺激に反応して脳内で放出されるドーパミンの量を、セマグルチドは減少させる効果があるのでは」と分析。
この薬が依存症患者の再発を防ぐ治療薬ともなりえるのか、さらなる臨床試験を行う必要があると話している。
By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)

https://www.japanjournals.com/uk-today/18036-2306014-1.html