「清貧であれ」「福祉で金をもうけるなんて」―こんな「常識」にあえて異論を唱え、「利益追求を怠らず、高い給与水準を実現する」と公言する介護事業の経営者がいる。障害者が地域で暮らすことを支援する重度訪問介護のサービスを基軸に全都道府県で事業所を展開する「土屋」(本社・岡山県井原市)代表取締役CEOの高浜敏之さん(50)だ。半生を振り返り、介護ビジネスの一つのモデルを提示する「異端の福祉」(幻冬舎)を刊行した高浜さんにオンラインで真意を聞いた。(共同通信=中村彰)
▽10年間、ボーナス、社会保険なしだった
さまざまな業界で指摘される「やりがい搾取」。高浜さん自身、若いころから福祉業界に身を置き、その中にどっぷりと漬かってきた。
「時給1000円でずっと働いて、10年間、ボーナスなんか1回ももらったことない。社会保険も付いてなかったが、それを言うことですら、はばかられるようなムードがありましたよね。極端な文化、続けられる人は本当に『ひとつまみ』という実感を持ちました」と振り返る。
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