原発5基分の再生エネ電力が無駄に あふれ出す太陽光に打つ手は?

https://mainichi.jp/articles/20230730/k00/00m/020/016000c

毎日新聞 2023/7/31 09:00(最終更新 8/7 18:00) 有料記事 2825文字


 深刻化する地球温暖化問題を背景に国策として普及してきた再生可能エネルギー。

しかし今、太陽光や風力でつくった電気を使わない出力制御が九州地方で深刻化している。

「太陽のくに」と形容され、日照条件の良い九州では太陽光の導入が加速。

一方、原発も4基が稼働しているため、結果として使い切れない再生エネがムダになっている格好だ。

原発5基分の電気を「捨てた」日

 今年3〜5月の九州電力管内の出力制御を同社の公表資料をベースに毎日新聞が集計したところ、原発5基分に相当する500万キロワット超の抑制を実施した日が9日間あった。

 2月までに日本で実施された1日の出力制御で最も規模が大きかったのは同社が2021年4月18日に実施した382万キロワットだった。

500万キロワット超の出力制御を行った9日間は天気の良い休日が大半で、多くの人が外出したことで電力需要が普段より低かったことが原因とみられる。

 電気は発電する量と使用する量を常に一致させる「同時同量」が不可欠だ。このバランスが崩れると周波数が乱れてシステムがダウンし、大停電につながる恐れがある。

このため、国は発電量が需要を大幅に上回った場合、どの電源を優先して使うかルールを定めている。

 まず…

この記事は有料記事です。

残り2307文字(全文2825文字)