「僕はゼレンスキーが嫌いだ」。ジャーナリストのセルヘイはそう言った。ゼレンスキーを英雄視することが当然視されるメディアの状況は日本でもウクライナでも同じだ。彼は英雄なのか?セルヘイの言葉は新田義貴に突き刺さった。

6月26日、ニコポリでの原発関連取材を終えての帰途、クリヴィー・リフという町で遅い食事をとることになった。このウクライナ東部の小さな町はゼレンスキー大統領の出身地である。ジャーナリストでもある通訳のセルヘイに大統領についてどう思うか聞いてみると意外な答えが返ってきた。

「僕はゼレンスキーが嫌いだ。彼は就任当初、親ロシア的な政策を取ってプーチンに付け入る隙を与えた。彼は大統領として国民を守る義務があったのにそれを怠った。だがいまこうした意見をウクライナ国内で大きな声で言うことはできない。」

https://infact.press/2023/08/post-22032/