政府・日銀の対策なければ1ドル170円も懸念-サントリーHD社長

サントリーホールディングスの新浪剛史社長は、政府や日銀の対策がなければ円安進行が続き1ドル=150円の水準を超えて170円前後まで悪化する可能性もある、と7日の都内でのインタビューで明らかにした。

  経済同友会の代表幹事も務める新浪氏は、日本経済はデフレに苦しむ局面ではなくなったと指摘した上で、現在インフレの転換点にある中で、日本銀行には近い将来に対策を打ち出すことが必要だとの考えを示した。

  新浪氏はインフレ局面で金融当局は金利引き上げを求められるが、マイナス金利政策を含む日本の金融緩和政策を転換するには中小企業への影響なども考慮しなければならず、数年を要するだろうと予測した。

  新浪氏はまた、インタビューで、インフレ局面では民間企業の投資が重要な役割を担うとの考えを示した。貨幣の価値が目減りするため民間企業は投資を行うことが求められ、デジタルや環境関連、健康などの分野で成長機会があると述べた。

  一方、物価高と人手不足が続く中で企業の賃上げも定着していくと予測し、サントリーHDでは今後2-3年間賃上げを継続していくことを検討していることも明らかにした。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-07/S0LL41T1UM0W01