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言い逃れ許しません…迷惑行為「客待ち」、防犯カメラ導入で指導強化

岐阜市は、条例で客引き行為などを禁止しているJR岐阜駅前の「岐阜駅北地域」に防犯カメラ3台を設置し、客引きを目的とする「客待ち」の指導強化に乗り出す。客待ち行為は否認されると立証が難しかったが、カメラ映像を証拠として活用することで違反行為の撲滅を目指す。市によると、客待ちの指導を目的に防犯カメラを導入するのは全国的にも珍しいという。

 市は2021年4月、繁華街「玉宮地区」を含むJR岐阜駅北側の指定地域内で、飲食店などの客引きや客待ちなど迷惑行為を禁止する条例を施行。違反した個人や店舗が市の命令に従わなかった場合は、5万円の過料などの罰則も設けている。

 市は警察などの協力も得て、現在は指導員6人態勢で毎日巡回するなどして指導・啓発を行っている。条例が全面施行された21年10月以降の指導件数は、今年8月21日現在で累計213件(うち過料45件)に上っており、ほとんどが客引きの違反だった。

 市によると、条例施行前は、禁止エリア内の5か所ほどに客引きや客待ちが集中するポイントがあったが、現在は2か所に減った。一方で、指導から逃れるため見張りを立てるなど客引き行為は集団化。多い時には10人以上が客待ちのために路上でたむろする様子も確認されており、通行の妨げになっているという。

 これまでは指導員が声がけしても「友だちを待っているだけだ」などと言い逃れされるケースが多く、客待ちの指導は、条例全面施行初日の1件にとどまっていた。防犯カメラの導入により、その場でタブレット端末を使って画像確認ができるようになる。違反行為の特定と立証がしやすくなるため、積極的な指導に踏み込めるようになるという。

 カメラは、客待ちや客引きが集中する同市長住町と住田町の交差点付近に設置。あくまで否認された場合の立証が目的のため、常時監視はせずに特定の時間に運用するとしている。テスト期間を経て、今月中旬の本格運用開始を目指す。

 市地域安全推進課の上田義広課長は「客待ちの対策を強化することで、訪れた人や住んでいる人が安心して快適に通行できるようにしたい」と話している。