2人の子どもを育てるシングルマザーのパート女性(52)も原告の一人。
仕事や親の介護で体を壊し、2010年に生活保護を受け始めた。
引き下げの影響を痛感したのは6年ほど前。長女(17)が中学校に入学する時だった。

 制服は、知人のお下がりを譲ってもらうはずだったが、学校再編で一新され、10万円近い出費に。
体操服の替えや体育館シューズを買えないまま入学式を迎えた。
弁当には缶詰の果物を小さい容器に入れて添え、見た目を華やかにする工夫などもしていた。

 ある日、帰ってきた長女が泣いた。原因は、お気に入りの筆箱を見た同級生の言葉だった。
「それ、百均やん」。長女は「遠回しに貧乏をからかわれた」と感じて不登校になり、17歳の今も、家に引きこもる。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASPDJ66VHPDJPTIL01C.html