「お付き合いはしていくつもり」と居直り
19年10月に地元・名古屋のホテルナゴヤキャッスルで教団関連団体が主催した「ジャパンサミット&リーダーシップカンファレンス」。イベント当日に撮影された写真には、真ん中に「マザームーン」こと韓鶴子総裁、その右隣に教団との蜜月関係がバレて更迭された山際元経済再生相が笑顔で納まっている。山際氏の右隣には、工藤氏、そして今回の人事で財務副大臣に起用された神田憲次衆院議員が並んでいる。
「ジャパンサミット」の翌日も、工藤氏は教団主催の4万人信者大会「孝情文化祝福フェスティバル」に出席。工藤氏は来賓代表として「韓鶴子総裁のご指導のもと、一貫して結婚と家庭の価値の重要性を訴えてこられた」「神聖な式典を開催され、心から敬意を表する」などとあいさつし、信者から拍手喝采を浴びた。
旧統一教会問題が一挙に注目を浴びた昨年7月、工藤氏は教団との関係について「反社会的勢力と認定されれば、関係を断つが、そうではないので、お付き合いはしていくつもり」などと発言。教団との蜜月ぶりに居直ってみせた。
いまだに教団との関係を続けているのか、工藤事務所に問い合わせると、「この種の質問・アンケートには答えていない」と即答。期限までに明確な回答はなかった。
教団との関係がウヤムヤのままにもかかわらず、工藤氏が担当するのは、よりにもよって「消費者及び食品安全」や「こども政策」などだ。信者から多額の献金を巻き上げる霊感商法、教団が生んだ不幸な宗教2世の対策を、マザームーンと称賛した議員に講じさせるとは、悪い冗談にも程がある。旧統一教会問題に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏が言う。
「工藤氏は、ウッカリして教団と関わりを持ってしまった議員とは別次元です。岸田首相は工藤氏のような確信犯を起用することに、少しでも『マズイな』と思わなかったのでしょうか。何よりも自民党がまず、教団と関係を持つに至った経緯や反省をきちんと総括するべきです。工藤氏も役職に就いたのならなおさら説明責任は免れません」
いつまで工藤氏は居直り続けるのか。教団との関係について「答えない」のは、関係を続けているヤマしさがあるからなのか。