ロシアが占領するウクライナ南部クリミア半島のセバストポリにあるロシア海軍のインフラをウクライナが攻撃し、揚陸艦と潜水艦が大きな損害を受けたようだ。同海軍に多大な損失を与えたことはともかく、艦船を修理するのに使用される大型の乾ドック施設が損傷したことで、黒海における同海軍の活動能力があやしまれる事態になっている。
現代の戦争では、乾ドックは常に真っ先に狙われる。

乾ドックは船を浮かべ、それから水を抜いて船を修理することができる施設で、海軍の戦力を維持する上で必要なものだ。重機械が複雑に組み合わさってできており、簡単に修理できるものではない。米国は損傷したわけではない乾ドックを一新するために数十億ドルを費やしている。攻撃による損傷の修復にかかる費用はかなりの額になるだろう。

クリミア各地に何回か攻撃を受け、ロシアはドックが標的になる可能性が高いことを知っていた。だが、そうした脅威にもかかわらず、重要な黒海艦隊を維持するためにドックを使い続けた。

ロシアには他に行き場所がないのだ。

近代的な修理インフラを黒海沿岸に持っていないことは、黒海艦隊にとって深刻な問題だ。修理ができる態勢がなければ黒海艦隊全体が数カ月のうちに作戦を展開できなくなり、事実上、機能しなくなる。

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https://forbesjapan.com/articles/detail/66030