尾崎豊にピンとこない令和世代

尾崎豊というシンガーソングライターがいました。
楽曲は大人や社会へのいらだちや、支配に対する抵抗をテーマにしたものが多かったのですが、その一方で「I LOVE YOU」など愛や
夢にまっすぐに生きていたいというピュアな願いとその難しさを歌った楽曲も多く、ティーンエイジャーを中心に大きな共感を集めていました。
1970〜80年代は、校内暴力や非行、暴走族といった、炎のモードの防衛の時代だったのではないかと思います。

「盗んだバイクで走り出す」(『15の夜』)
「行儀よくまじめなんてクソくらえと思った 夜の校舎 窓ガラス壊してまわった」(『卒業』)
私もたまにカラオケで歌ったりするのですが、こういうまっすぐな反抗を歌った歌詞というのは、いまの若い世代にはピンときていないようで、
「なんでそんなことするの?」という感覚です。

時代が変わり、行き場のないエネルギーを発散させるかのようなアクティブな非行・暴力・攻撃性は鳴りを潜めていき、いじめは陰湿化・オンライン化しています。
直接的にぶつかり合うような摩擦が減っていくこで、対人関係はより過敏になり、傷つきを恐れるようになります。

闘ってもムダだし、怖いし、傷つきたくもないので、反抗せずに固まる・引きこもる傾向になっていく、というのは自然の流れのように思います。
https://president.jp/articles/-/73564