ロシアのウクライナ侵略開始から2年に合わせた国連総会と安全保障理事会の23日の会合で、ウクライナはロシアに対する非難決議案の提出を見送った。ウクライナの最大支援国である米国がパレスチナ自治区ガザ情勢を巡ってイスラエルを擁護し続け、関係国の反発を招いたことが影響したとの見方が出ている。

 ロシアの侵略開始以降、国連総会で採択された対露非難決議などは6本に上る。決議案は主にウクライナが提出してきたが、文案の作成や各国への根回しでは「ロシア非難を主導してきた米国が大きな役割を果たしてきた」(安保理筋)のが実情だ。侵略1年に合わせた昨年の国連総会では、露軍撤退などを求める決議案への賛成は全193か国のうち141か国に上った。

 イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘が始まった昨年10月以降、状況は一変した。米国は、ガザで犠牲者が増え続けても戦闘継続にこだわるイスラエルの意向を受け、即時停戦に反対し続けてきた。この結果、アラブ諸国などから反発を招き、苦境に立たされた。

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