「一重で可哀想…」親に強要され15歳で二重手術、洋服や髪型も従わされ“着せ替え人形”に 当事者と考える「子の容姿に手を加える」ことの是非
子どもの意思とは関係なく親の思いで顔や身体に手を加える、それはどこまで許される行為なのか。実際に、当事者が書いた漫画がある。タイトルは『親に整形させられた私が母になる』。
【映像】「一重で可哀想に……」漫画の内容(一部)
「一重で可哀想に……。中学卒業したら整形させてあげるからね。女の子はやっぱり……可愛くないと幸せになれないからね」(母)
作者は漫画家のグラハム子さん。「言われ始めたのは、物心ついた時から幼稚園生くらい。小っちゃい頃から“一重はダメなのよ。二重がいいのよ”と言われちゃうと、赤信号は渡っちゃダメ、青信号は渡っていいというように素直に受け取ってしまう」と話す。
「あなたのためを思って」という言葉でごまかされがちだが、親が子どもの容姿に手を加えることは許されるのか。『ABEMA Prime』でグラハム子さんを交え議論した。
漫画で描かれているのはグラハム子さんの実体験。幼少期、父が単身赴任で母子2人暮らし。母の言うことが絶対で、着る服、髪型、全て従わされていたという。そして、15歳の時に二重整形をすることに。
「高校入学するまでの春休みの間だった。母がもう予約していて、“この日に行くわよ”と連れて行かれた。二重整形の手術は一生モノの切開法と、糸で留めるだけの埋没法がある。私は後者で、まぶたが分厚くて取れてしまう。結局3回やったがぜんぶ取れて、今は奥二重に戻っている」
その他にも、母が用意した好みではない服を着させられ、拒むと服を踏みつけられたり、髪型はロングがいいと言ってもショートカットに、ダイエットも強要させられていたという。
「今思えば、あまり感情がなかった。美容室でもなんでも予約されていて、行かないと私が悪になってしまう。“もう美容室取ってるんだから”“美容師さんに迷惑がかかる”ということで行かざるを得なかった」
“きせかえ人形”のような自分に苦しみ、摂食障害にも陥る中、アキレス腱を切断し動けなくなったことが、呪縛から解き放たれるきっかけに。
「もちろん恨んでいた時期もあったけど、それはもう越えた。大人になって“しょうがなかったな”と思える。漫画も描けたし、プチ復讐できたし、今は全然嫌ではない」
親に言われるがまま容姿をいじられたと訴える子どもは少なくない。SNS上には、「自分の“好き”ではなく、親の“好き”で服装・髪型は決まっていた」「痩せ=正義って価値観で、親が体型維持強要してきた」「嫌悪感から脱毛脱毛ってうるさい」といった声がある。
整形など美容の低年齢化だけでなく、背景には子どもを所有物のように扱う親の存在があると、母娘関係におけるモラハラに精通する心理カウンセラーの影宮竜也氏は指摘する。
「親側が自分の価値観・自分の正しさに従わせようとしている。ステータスのために子どもを利用したり、“あなたのため”と言って押し付けたり、親子の境界線が曖昧なことが特徴としてある。親が勧めた時に子どもはどう受け取るか、子どもの意思が尊重されるかというところを考えないといけない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/21352528013cc98ce16f85144baec796d8fb5a08?page=2