京都大医学部付属病院は4日、世界で初めて、生体の肺と肝臓を1人の患者に同時に移植する手術を実施し、成功したと発表した。先天性の疾患がある関東在住の10歳未満の男児に、両親の肺、祖父の肝臓のそれぞれ一部を移植した。手術は2023年11月に行われ、男児は3月1日に退院した。

 同病院によると、海外では脳死患者から提供された肺と肝臓の同時移植は少数ながら行われている。日本は海外と比べて脳死による臓器提供が少ない現状があり、脳死でも実施事例がなかった。生きている健康な人が提供者となる同時移植は世界初で、同病院は「新しい治療の可能性を広げた意義は大きい」としている。



https://mainichi.jp/articles/20240304/k00/00m/040/107000c