東京都や区市町村が街路樹の維持・管理に苦心している。
植樹から数十年が経過し、倒木や枝落ちの恐れがある街路樹が増えているためで、新たに維持管理の指針を定める自治体も出てきた

都公園緑地部によると、都内の街路樹は現在、約100万本。
終戦時には約3万本だったが、1回目の東京五輪を契機とした道路整備の進展で65年には約11万本に増加。
その後、排ガスなど公害対策の一環でさらに植樹が進み、90年には35万本にまで増えた。
急速に増えていった街路樹が、老齢に達して弱ったり、大きく育ち過ぎたりして、維持・管理に手間がかかるようになっているという。

都は、幹回り90センチ以上の街路樹を優先的に点検して危険度の高い木の早期発見に力を入れている。
国土交通省によると、2018~22年の5年間で年平均2008本の街路樹が伐採された。それでも、強風などにより、年450本近くの街路樹が倒れたという。
都の担当者は「年月がたてばその分管理に手間がかかる。倒木のリスクも高まるので気が抜けない」と語る。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240316-OYT1T50069/2/