首相、8日から訪米 強固な日米同盟アピールへ 9年ぶり国賓待遇

岸田文雄首相が8日から国賓待遇で米国を訪問し、10日(日本時間11日)にバイデン米大統領と首脳会談を行う。安全保障分野などで日米の連携がさらに深まっていることを前面に押し出し、「強固な日米同盟」をアピールする。

今回の訪米は、2015年の安倍晋三元首相以来、9年ぶりとなる国賓待遇での公式訪問。首脳会談では、防衛費大幅増をはじめとする日本の防衛力強化に向けた取り組みを共有。防衛装備品に関する新たな協議体の創設で合意する見通しだ。両首脳は会談後に共同声明を発表。ロシアによるウクライナ侵攻などで脅かされる「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」について、日米両国が「グローバル・パートナー」として維持・強化していく姿勢を示す。

首相は11日(日本時間12日)、米上下両院合同会議で「日米のリーダーシップと未来に向けた協力」をテーマに、英語で演説する。首脳会談で確認する安全保障分野での協力の加速をアピールし、日本からの積極的な投資が米国経済に貢献していると説明する見通しだ。24年11月に米大統領選を控える中、民主・共和両党の党派を超えた対日理解を促進する狙いがある。

さらに同日には首相、バイデン氏にフィリピンのマルコス大統領を加えた、史上初の日米比首脳会談を行う。覇権主義的な動きを強める中国を念頭に置いたものだ。中国が海洋進出を進める南シナ海や東シナ海情勢を協議し、安全保障分野での連携強化を確認する。フィリピンへのインフラ投資やエネルギー分野などでの協力でも合意する見通しだ。

その後、首相は米南部ノースカロライナ州を訪問する。同州では日系企業の進出・投資が続く。日系企業を直接視察することで、日本政府や企業の取り組みを米国内にアピールしたい考えだ。日本には14日に帰国する。【小田中大】

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