去る10月12日、国際通貨基金(IMF)は最新の「世界経済見通し(WEO)」を発表した。2021年は2020年の落ち込みを回復する年になるのだが、先進国の中で日本が最も回復力が弱いとの予測になっている。アメリカの成長率は6.0%と2020年のマイナス3.4%を充分に挽回する高い成長率なのだが、日本は2.4%と2020年のマイナス4.6%をカバーするに至っていない。

世界経済全体を見ると、2021年の成長率は5.9%、22年の成長率は4.9%と予測されている。新興、途上国地域の成長率は、当然、先進国よりも高く、2021年は6.4%、22年は5.1%となっている。中でも、インドの成長率は、2021年は9.5%、2022年は8.5%となっている。
インドは2020年の落ち込みがマイナス7.3%と新興・途上国地で最も低かったので、それをカバーすべく、21年、22年の成長率が高くなっている。
中国もインドに次いで高く、21年8.0%、22年5.6%となっている。実は、中国は2020年もマイナスにはなっておらず、プラス2.3%の成長率を達成しているのだ。
尤も、2.3%というのは、中国の通常の成長率に比べるとかなり低いものではある。因みに、2010〜19年の10年間の中国の年間成長率の平均は7.7%だった。

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