トオル「るんちゃんと…同じ授業受けたいな…るんちゃんと…」
るんちゃん「大丈夫、変わってないよ私達…」

一話のラスト近く、るんちゃんとトオルの会話のシーンです。
このシーンのトオルの台詞を仮に明らかな意味、明意「同じ授業を受けたい」
ということを文字通りそのまま受け取って率直に答えるとすれば、
「同じ授業受けたいな」に対する答えは 「受けられたらいいのにね」といった答えや
あるいは「そんなの無理だよ」といった素気無い答えになるでしょう。
しかし、るんちゃんはそうではなく、トオルの言葉の暗に含まれてる意味、
暗意を汲み取ってそうは答えません。
「るんちゃんと…同じ授業受けたいな」この台詞で、トオルは何を伝達しようとしているのでしょうか。
もし、低次の暗意を汲みとるとすれば、 トオルは一緒じゃなくて寂しいことを伝えたいのだと推測するでしょう。
そうであるならば「トオル寂しいの?」と訪ねて自分の推測の正しさを確かめるなり、
「トオル寂しいんだね」と答えるはずです。

しかし、るんちゃんはそうではなく、
「るんちゃんと…同じ授業受けたいな…るんちゃんと…」
という台詞から、もっと深い意図まで汲み取っています。
トオルが寂しがっている、ではなぜ寂しがっているのか、
それは、トオルが自分たちの関係が変わってしまったと思っているからであるという、
もう一歩深いところまで瞬間的に推測しているのです。
あるいは確信的に理解しているのです。
そしてその深い推測、確信から、 るんちゃんは「大丈夫、変わってないよ私達…」と答える。
ここにるんちゃんとトオルの深い友情、愛情が示されているのです。
るんちゃんとトオルはお互いを理解しあっているのです。
ここに関係性を描くAチャンネルの深みがあります。