“失脚”の自民・二階俊博氏に陳情殺到の異例事態 党本部の部屋の前に椅子ズラリのナゼ(日刊ゲンダイDIGITAL)
#Yahooニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/5299bd271a1f15e5f14ce909819db3e850d8576d

 幹事長を外されても関係ないということか。自民党の二階俊博元幹事長の部屋に陳情客が殺到しているという。産経新聞は<「二階氏詣で」団体続々>ーーと報じている。

 岸田政権の発足後、幹事長を外れた二階氏は、「国土強靱化推進本部長」として党務にあたっている。党本部の5階に本部長室も新設。部屋の前にはパイプ椅子がズラリと並べられ、連日、来客が絶えないという。とくに2022年度予算の編成を控え、業界団体の訪問が急増している。党役員以外に陳情客が殺到することは、かなり珍しいことだ。

 岸田政権が誕生し、二階氏は干され、力を失ったと見られていたが、どうなっているのか。

「党幹部ではないですが、国土強靱化推進本部長という肩書があることは大きいでしょう。ここ最近、国交相は公明党の指定席となっていることもあって、公共事業に関しては、やはり自民党内では二階さんの影響力が大きい。二階さんは運輸業界や観光業界にも太いパイプがある。それに、いまでも派閥領袖です。幹事長を辞めたくらいでは、いきなり力を失うことはないでしょう」(政界関係者)

■岸田首相にも好都合

 さらに、岸田首相も、二階氏を干すつもりはまったくなく、むしろ一定の力を維持してもらった方が好都合だと計算している節があるという。

「岸田さんにとって、潜在的な敵はキングメーカーを気取る安倍元首相です。なにかあったら、高市早苗氏あたりを担いで“岸田降ろし”を仕掛けてくる可能性がある。安倍さんを牽制するためには、やはり二階元幹事長や菅前首相に近づくのが、手っ取り早い。さすがに、いまから二階さんを党の要職に就けることは考えていないでしょうが、この先、二階さんに協力を求めることは想定しているはずです。陳情する業界団体や霞が関も、そうした党内バランスを敏感に感じ取っているはずです」(自民党事情通)

 安倍晋三元首相が岸田首相を脅かすほど、二階氏の力が強まっていく。