円安が進む日本は、タイやブラジルよりも「貧しい国」になっていた

 イギリスの経済誌『エコノミスト』が毎年公表している「ビッグマック指数」は、日本の物価の安さを端的に示している。

 これは、全世界で展開しているマクドナルドの看板商品「ビッグマック」の値段を比べることで、各国の物価格差の目安とするものだ。

 今年、日本において390円で売られているビッグマックは、アメリカでは645円、イギリスでは522円、スウェーデンでは681円で売られている。

 先進国だけでなく、タイ(429円)やブラジル(480円)といった新興国でも、日本より高く売られている。

1991年の日本の平均賃金は約447万円だったのに対し、2020年は433万円。まったく上がっていないどころか、減少している。

たとえば、アメリカの平均賃金は過去30年で約2・5倍(約700万円)になった。ドイツは約2倍(約560万円)、韓国も約2倍(約430万円)まで膨らんでいる。

 〈米国では、年収1400万円は「低所得?」〉。こう銘打った『安いニッポン』(中藤玲著、日経BP)という新書がベストセラーとなっている。

 実際、アメリカの大卒1年目の平均年俸は約629万円と、日本の平均である約262万円の2倍を遥かに超える金額になっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b353f05b9dc8056a0d5d5f8a7b183498b3c2f446