ソロキャンプは、当然ながら1人になりたい人が行うものだと思うが、「私は違う目的でソロキャンプにハマったかもしれません」と語るのは、山西さん(仮名・30歳)。

年収470万円の、関東近郊の役所に勤める地方公務員だ。
彼は「仕事にあぶれることがない」ということで、「自分は上級国民だ」と思い込んでいる。

そんな山西さんは、テレビでソロキャンプを知り、コンビニで「ソロキャンプ」特集の雑誌を購入。「その世界観に打ちのめされた」のだという。

山西さん行動を見ていると、「都会の喧騒を離れた大自然の中で、質素だが、精神的に豊かな生活をすることがソロキャンプ」なのではなく、
「かっこよく写真映えのする場所(都市部から高速で30分以内)で、都市ガス抜きで贅沢な気分に浸ることがソロキャンプ」と捉えているようだ。

キャンプ用品は、雑誌のカタログに記載された高級ブランドで統一する。山西さんのキャンプ用品の解説に耳を傾けよう。

「まず、キャンプ用品ではなく、ギアと呼んでいます。はじめは、アウトレットや中古品を買っていたのですが、ブランドが統一していたほうがギアはかっこいいです。
写真を撮るときもそうですが、ソロキャンプと言っても、近くにキャンプをしている人はいますから、気になりますよね」

中古品、アウトレットを使用すれば、数万円でおさまるギアだが、高級ブランドで統一すると数十万円は軽くかかる。浪費家の山西さんに貯金はなく、リボ払いだ。

「カッコよさも含めて10年使えるものと考えると、やっぱりそれなりの値段はします。クルマを持っていないので、
毎月幕張へ友人を誘って、大型のギアショップに連れて行ってもらっています」という山西さんは、「10年使える新商品を毎月買う」のだ。

山西さんに「あなたにとってソロキャンプとは何か」を聞いた。

「はじめてカタログをみたとき、インスタとかで映えるし、キャンプ場でカッコいい写真を撮ったら、婚活アプリでのツカミに使えるなって思ったんです。虫も嫌いだし、本音で言えば不便なことも多いので、キャンプは嫌いでした。
だけど道具を揃えれば、普段とそんなに変わりない。言い方はちょっと怒られるかもしれませんが、勝ち組、上級国民の一人として自然を満喫する贅沢なんでしょうね」

今回、ITOMOS研究所は、「ITOMOS一万人調査『日本人のホンネ』」において、ネットアンケートを実施(実施日は、2021年11月1日から10日の間)した。
20歳以上の男女、さらに年収1000万円以上の男性に、結婚相手に求める条件を聞いた。

「性格が合う」と答えた人が、男女ともに圧倒的に票を集めた。2位以下は、女性は「収入」「顔・容姿」を優先する傾向にあった。年収1000万円以上の男性は、僅差ではあるが、「顔・容姿」が「性格が合う」を上回った。
大半の日本人にとってみると、性格が合うことが絶対条件のようだ。

ソロキャンプ好きの独身・山西さんに、もし「ソロキャンプを契機とした婚活」が成功し、女性と付き合うことになった場合、どういうデートをするのか聞いた。

「質問の意図がよくわからないんですが、ぼくがソロキャンプを続ける理由は、その世界観に魅せられたからとしかいいようがないです。
ある意味、宗教というか。お金をかけることでそれが完成に近づいていくのだと思います。彼女にその世界観が理解できるか。デートでキャンプに1回は行くと思います」

ギアは一人分しかないという山西さん。いくら二人の性格が合ったとしても、彼女は、中古、アウトレット、もしくはレンタルで済まされたら、怒らないのだろうか。嫌な予感がした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/54c2677f727c1b912163b0616b48b3d4434b4696