JAXAが宇宙飛行士候補者の募集を開始、応募資格を大幅に緩和

現在、日本の宇宙飛行士7名の平均年齢は51歳。
今のままでは月周回ステーション「ゲートウェイ」の搭乗が開始される2025年には、定年退職のために人数は4人となり、月面活動が本格化する2030年には2人に減る。
そこでJAXAでは、月面探査などの新たなミッションに備えて、宇宙飛行士を若干名募集することになった。だが今回は、これまでと応募資格が大きく緩和された。

応募資格
2021年度末(2022年3月末)の時点で3年以上の実務経験を有すること。ただし、修士号取得者は1年、博士号取得者は3年の実務経験とみなす
以下の医学的特性を有すること
身長:149.5〜190.5cm
視力、遠距離視力:両眼とも矯正視力1.0以上
色覚:正常(石原式による)
聴力:正常(背後2メートルの距離で普通の会話可能)

今回の宇宙飛行士候補者募集に向けて、JAXAでは一般から意見を募った。
そこでは、学歴、専門性を問わないでほしい、女性枠を設けてほしい、任期制やクロスアポイントメントなど働き方を多様化してほしい、
選考過程を透明化してほしい、落選者への対応がほしいといった意見が寄せられ、これらを反映しつつ、募集の方針は次のように決められた。
●学歴、専門は問わない。泳力、自動車運転免許証などは応募資格から除外
●募集人数が少ないので女性枠は設けず、女性応募奨励のための広報関連施策を行う
●働き方の多様性は、訓練の従事割合がほぼ100%、海外での訓練もあり難しい
●選考過程の透明性は、個人情報保護などを考慮しつつ、可能なものは積極的に公開する
●落選者へのフィードバックを検討する
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選抜は、書類選考、第0次選抜から第3次選抜まで行われる。
その中では、英語、一般教養、STEM(理工系)分野の試験、小論文、適正検査、医学検査、面接、資質特性検査など数々の審査が行われる。
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宇宙飛行士として予定されている宇宙活動は、以下のようなものだ。
●米国商業宇宙船などへの搭乗、 ISSでの滞在(長期)、ISSおよ「きぼう」システムの操作保全、実験研究、船外活動
●米国新型宇宙船への搭乗、ゲートウェイでの滞在(短期)、操作保全、実験研究、船外活動
●月面着陸船への搭乗、月面での滞在(短期)、月面での実験研究、月面での船外活動
https://jp.techcrunch.com/2021/11/22/jaxa-recruit-astronaut/